『かもめ食堂』

ずっと見たかった映画♡おにぎりや日本食が食べたくなった♪

 東京から10時間、日本から最も近いヨーロッパの国、フィンランド。そんななんだか遠くて近い国でひそかに誕生した映画『かもめ食堂』。フィンランドの首都ヘルシンキは青い空にのんびりとかもめが飛び交い、ヨーロッパ各地からの客船が行き交う美しい港町です。その街角に、日本人女性サチエが経営する「かもめ食堂」(ruokala lokki)は小さいながらも健気に開店しました。そんなかもめ食堂を舞台にそれぞれの登場人物の、丈夫だけどちょっとやるせない、日常的なようでそうでない、不思議な物語が始まります。

「人はみんなかわっていくものですから」
主人公サチエの言葉がとても印象的だった。フィンランドで出会った3人の女性たち。そこにいたるまで、様々な事情、背景があっただろう。そのことには触れず、ただそっと寄り添うような関係。決して踏み込まず、べたつかず、それぞれが、しっかりと一人で立っている関係。サチエの「人はみんなかわっていくものですから」という言葉からは、ずっと同じではいられないということは、悲しいことではない、かわっていくのがあたりまえなんだ、という力強さを感じる。
見終わった後、やさしさや力強さを感じさせてくれる、心地のよい映画である。